デンタルフロスと歯間ブラシは使い回せる?何回使えるかを歯科衛生士が解説

白い大理石の上に置かれたデンタルフロスのケースと、陶器のスタンドに立てた歯間ブラシ4本、レモン、タオル

デンタルフロスは使い回さず1回で使い切り、歯間ブラシは同じ本人が使うなら2週間前後で交換——これが結論です。フロスを洗って再利用しない方がいいのは、汚れが落ちないからというより、繊維が毛羽立って歯ぐきを傷つけたり、途中で切れて歯間に残ったりするためです。

歯科衛生士が、使い回してよいもの・いけないものの線引き、歯間ブラシの交換のサイン、家族での共用がなぜ危険なのかまで解説します。

目次

結論|フロスは使い捨て、歯間ブラシは「本人だけ・2週間前後」

使い回し交換の目安
デンタルフロス(糸巻きタイプ)× 1回ごとに使い切り使うたびに新しい部分を出す
糸ようじ(ホルダー付きフロス)△ 同じ日のうちに数回まで1日で処分
歯間ブラシ△ 本人のみ・繰り返し可2週間前後、遅くとも1か月

ポイントは「洗えば清潔になるか」ではなく「形が保てるか」です。フロスは糸なので一度使うと繊維がほどけて元に戻りません。歯間ブラシは芯が金属で形が残るため、洗って乾かせば繰り返し使えます。

デンタルフロスを使い回さない方がいい3つの理由

① 繊維が毛羽立ち、歯ぐきを傷つける

フロスは数百本の極細繊維を束ねたものです。歯と歯の間を1回通しただけで繊維はほぐれ、表面がケバ立ちます。この状態で歯ぐきの溝に入れると、細かい傷をつけて出血や炎症の原因になります。

② 途中で切れて歯間に残る

一度使ったフロスは強度が落ちています。詰め物のふちや歯石に引っかかったときに切れやすく、歯間に糸が残ったまま気づかないことがあります。残った繊維は歯ぐきの炎症の原因になり、ご自分では取り除けません。

③ 洗っても細菌は落としきれない

水で流せば見た目の汚れは落ちますが、繊維の隙間に入り込んだ細菌までは落ちません。乾かないまま置いておくと、かえって細菌が増えます。フロスは1回分ずつ切って使うものなので、節約の効果もほとんどありません。

なお、糸巻きタイプを使う場合も一か所ごとに指を送って新しい部分を出すのが正しい使い方です。同じ部分で全部の歯間を通すと、汚れを次の歯間へ運んでしまいます。

歯間ブラシは何回使える? 交換の目安とサイン

歯間ブラシは同じ方が使う限り、洗って乾かせば繰り返し使えます。目安は2週間前後、長くても1か月です。1日1回使う方なら10〜20回ほど、と考えてください。

ただし回数はあくまで目安で、実際は次のサインが出たら日数にかかわらず交換します。

  • 毛先が寝てしまい、元に戻らない
  • 毛が抜けて、地の金属(ワイヤー)が見えている
  • ワイヤーが曲がった、または一度でも折れかけた
  • 洗ってもにおいが残る

特にワイヤーの露出は放置しないでください。むき出しの金属が歯や歯ぐきに直接あたり、歯の根元を削ってしまうことがあります。

使ったあとの洗い方と乾かし方

流水で毛先の汚れを落とし、ティッシュで軽く水気を取って、風通しのよい場所で立てて乾かします。洗面台のコップに他の器具とまとめて挿しておくのは避けてください。歯ブラシの毛先と触れ合うと、お互いに菌を移し合うことになります。

熱湯消毒や漂白剤への浸け置きは不要です。ワイヤーがさびたり、毛が傷んだりして寿命がかえって縮みます。

家族で共用してはいけない理由

フロスも歯間ブラシもご家族との共用は避けてください。むし歯の原因菌も歯周病の原因菌も、唾液を介して人から人へうつることが分かっています。歯ぐきの溝に直接入れる器具は、血液が付くこともあるため特に注意が必要です。

「洗ってから渡せば大丈夫」と思われがちですが、上で書いたとおり繊維や毛の隙間の細菌は落ちません。ご家族それぞれに1本ずつ用意して、置き場所も分けてください。

「歯科医院では使い回しているの?」という疑問について

ときどきご質問をいただきますが、歯科医院で患者さんのお口に入れるフロス・歯間ブラシは、患者さんごとに新しいものを使います。使い回すことはありません。

クリーニングのときにお使いになった歯間ブラシを「持ち帰ってご自宅で続けてください」とお渡しすることはありますが、それはそのまま患者さんご本人の物としてお渡ししているものです。ご自宅では上記の交換目安に沿ってお使いください。

使い捨ての方が高くつく? コストの考え方

「毎回捨てるのはもったいない」というお声はよく分かります。ただ、フロスは1回に使う長さが40cm前後で、一般的な50m巻きなら100回以上使えます。1日1回でも3か月以上もつ計算です。

一方、使い回して歯ぐきを傷つけたり、切れた糸が残って炎症を起こしたりすると、その処置のほうが時間もお金もかかります。節約するなら、使い回しではなく本数の多い商品を選ぶ方向で考えてください。

当店でも歯科専売のフロス・歯間ブラシを取り扱っています。→ フロス・歯間ブラシ一覧

まとめ

  • デンタルフロスは1回使い切り。洗って再利用しない
  • 糸ようじは同じ日のうちに数回まで。日をまたいで使わない
  • 歯間ブラシは本人のみ・2週間前後で交換。毛先が寝る/ワイヤーが見えたら即交換
  • 家族との共用はしない。むし歯菌・歯周病菌はうつる
  • 洗って立てて乾かす。熱湯消毒や漂白剤は不要

よくある質問(FAQ)

Q. 歯間ブラシは何回使えますか?

1日1回のお使いで10〜20回、期間にして2週間前後が目安です。ただし毛先が寝たりワイヤーが見えたりしたら、回数にかかわらず交換してください。

Q. フロスは洗って再利用できますか?

できません。洗っても繊維の毛羽立ちは戻らず、強度も落ちて切れやすくなります。1回ごとに新しい部分を使ってください。

Q. 糸ようじ(ホルダー付きフロス)も使い捨てですか?

同じ日のうちに数か所使う程度なら問題ありませんが、日をまたいでの再使用はおすすめしません。糸の部分は糸巻きタイプと同じで、一度使えば毛羽立ちます。

Q. 歯間ブラシは毎日使っても大丈夫ですか?

大丈夫です。1日1回、夜の歯みがき前が最もおすすめです。ただしサイズが合っていないと歯ぐきを傷めるので、きつくて入らない場所に無理に通さないでください。

Q. 使うと血が出ます。使い回しが原因ですか?

使い回しで傷つけている可能性もありますが、多くはもともと歯ぐきに炎症があるためです。数日続けても出血が治まらない場合は歯科でご相談ください。

関連記事

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

歯科衛生士歴6年。
ホワイトエッセンス甲子園にて、ホワイトニング・クリーニング・PMTC・ホームケア指導を担当。
ホワイトニング認定衛生士/クリーニング認定衛生士(ホワイトエッセンス認定)。
現場の歯科衛生士の視点から、本当に効くオーラルケアの選び方をお届けしています。

目次